スレイヤーズあだるてぃい

               「恋せよ乙女」

                              作:悪平 修
 
 
 
 
「悪いなアメリア、もう何日かここに留まらせてもらう。」
「い、いえ、別に良いんですよゼルガディスさん。」
 この町に来て早一月、特に目的のない旅であるのと、ゼルガディスさんが調べ
ものがある、と言うことでそこそこ長い滞在になっている私達。優しいゼルガデ
ィスさんはかなり気にしているみたい。
 気にすることなんかないのに……
「ところで、今日は宿屋に留まって、一体どうしたんですか?いつもはあちこち
 見て回ってるじゃないですか。」
「実は、人を待っているんだ。」
「ひ、ひとぉ!?」
「び、びっくりするじゃないか!」
「い、一体誰なんです!?」
「こ、こら、そんなに揺するな、教えてやるから。
 シルフィールだ、シルフィール。お前も知っているだろう?」
「ええ、何度かお会いしていますから。
 ……でも、どうして?」
「以前お前に見せてもらったセイルーンの古文書や魔道書は、俺が人間に戻る方
 法は載っていなかった。そこで、今度は彼女が知りうる限りのものを、と言う
 わけだ。」
「そう言うことでしたか。」
「それに、お前よりは巫女としてまともそうだしな。」
「……どういう意味ですか?」
「あ、いや、深い意味はない。……じゃな。」
 ゼルガディスさんは、そう言って自分の部屋に帰っていった。
 

 シフリールさんは、夕御飯の前にはこの宿について、みんなで食事をした後、
ゼルガディスさんと話をしているようだったけど、よくは知らない。

 ……なんだか、あまり知りたくなかったの。

 そして、私の部屋の扉がノックされたのは、それからしばらく経ってからだっ
た。
「あの、アメリアさん、よろしいですか?」
「あ、はい、どうぞ。」
 扉が開くと、そこにはパジャマ姿の彼女が立っていた。
「どうしたんですかシルフィールさん?」
「あの、少しお伺いしたいことがあるんですけど、よろしいですか?」
「ええ、どうぞ。」
 おずおずと室内に入り、椅子に座るシルフィールさん。その前に対面するよう
に、私はベッドに腰をかける。
「……アメリアさん、好きな人、いますか?」
「へっ!?」
 あまりに突然なその質問に、思わず声を上げる。
「いきなりどうしたんですか?」
「答えて下さい。」
 その彼女の異常なまでの真剣な顔に、思わず背筋が伸びる。
「……ええ、まぁ、人並みには……」
「実は、私も、恥ずかしながら心を寄せる人がいるんです。」
 ……って、ガウリイさんのことでしょ?ばればれですよ。
 思わずそう口にしそうになるのをとっさに止める。
「アメリアさんは、その好きな方のことを想うことは?」
「そりゃぁ、まぁ……」
「私、夜、ベッドの中で、その方の顔を思い出してしまうんです。」
「ふんふん。」
「そうすると、その、あの……」
「はい?」
「……あの、その、実は……」
「???」
「あの……想像……してしまうんです……」
「何を?」
「その……彼に……抱きしめられたら、とか……」
「ほうほう。」
「彼に……こ、告白されたら、とか……」
「それで?」
「そうすると……その……あの……」
「?」
「し、下着が……」
「下着が?」
「あの……なんか……違和感が……出てきて……」
「違和感?」
「そ、それで……その……翌日見ると……あの……」
「はい?」
「その……し、湿っていて……」
「えっ!?」
 そ、それって、もしかして!?
 話に聞いた、”濡れる”というやつでわ!?
「あの、やっぱり変なんですか、これって!?」
「えっ!?」
「今、アメリアさん、とっても驚いた顔されてましたけど……」
 とってもおびえた表情のシルフィールさん。
 いけない、ここので彼女を傷つけるようでは、正義のヒーローとは言えないわ。
「あ、あの、いえ、シルフィールさんもか、と思って……」
「ええっ!じゃぁ、アメリアさんも!?」
 目に涙をためながら喜ぶシルフィールさん。
 ……そんなに真剣に悩んでいたのか……
「え、ええ、まぁ……」
「あの、でも、それだけじゃないんです。」
「と、いうと?」
「その、先日、あんまり心配で、想像していて違和感を感じたとき、そっと手を
 差し伸べてみたんです。」
「ふんふん。」
「そうしたら、その……」
「?」
「とっても変な感じで……」
「変な感じ?」
「……ああっ、何て言ったらいいのか……」
「……はぁ……」
「あの、そう……えと……分かりますよね?」
「えっ?」
「えっ?えっ?……やっぱり、私だけ、変なのかしら!?」
 またおびえた表情になってしまうシルフィールさん。
 でも、私自身、そう言う経験はないから、はっきり言ってもらわないとフォロ
ーのしようが無いし……
「あ、あの、そう言うことは、人それぞれ個人差がありますし……」
「本当に?」
 思わず適当な返事を答えてしまう。
 でも、実際そうだと思うから、嘘じゃないわよ。
「そ、そう思いますけど……」
「……………。
 あの、それでしたら、その……」
「はい?」
「あの……変な娘だ、って思わないで下さいね。私、真剣なんです。」
 そう言いながら顔を近づけてくるシルフィールさん。
 ……かすかに香るこの香りは、香水ではなく、服に染み込んだお香のよう……
「思いませんよ、そんなこと。」
「よかった……。あの……それで……もしよろしければ……」
「はい?」
「アメリアさんの……その……場合を……」
「私の場合?」
「あの……見せて下さいませんか?」
「ええっ!?」
 そ、そんなこと言われても、まだそんな事したこともないのに……
「お願いします!私、自分が怖くて……自分が、自分でなくなってしまいそうな
 んです!」
「ちょ、ちょっと待って下さい、とりあえず落ち着いて……」
「落ち着いてなんかいられません!毎日、夜が来る度、不安で不安で……」
「と、とりあえず手を離して……。それに、どうして年下の私なんかに……」
「リナさんに聞くわけにもいきませんし、頼れるのはアメリアさん、貴方だけな
 んです!」
「ま、まぁ、その気持ちは分かります。ですが……」
「それに、最近では昼間でも……。だからお願いです!」
「いや、その、あの……」
「お願い、お願いします!絶対人に話したりしませんから!」
「は……はぁ……」
「本当ですかぁ!?ありがとうございますぅ!!!」
 思わず返事をしてしまった私に、彼女は満面の笑みを浮かべた。
 

 部屋は、暗く、静まり返っていた。シルフィールさんが用意してくれた、町で
買ったというお香が、部屋にかすかに立ちこめている。
 私はベッドに一人横になっていた。シルフィールさんは……いえ、今は彼女の
ことは考えるのは止めましょう。
 私は一人でここで寝ている、そう思いこまないと。
 そして、ゆっくりと目を閉じ、”彼”の事を考える。

 ……もし、”彼”が私だけを見てくれたら……
 ……もし、”彼”が私を『好きだ』と言ってくれたら……
 ……もし、”彼”が私を抱いてくれたら……
 ……もし、”彼”が……

 シルフィールさんのお香の香りが、何故かとても心地よい。そして、その程良
い脱力感のおかげで、私は想像にふけることが出来た。
 やがて、私自身、変な気分になってくる。
 なんだか、顔が赤いみたい。
 胸が、キュンと苦しい。
 そして、シルフィールさんが言ったように、下着に違和感を感じてくる。

 −−もし、違和感を感じてきたら、自分の手を、殿方の手だ、と思って、そっ
と下着に触れてみて下さい。

 彼女に言われたように、私は”彼の手”を私の下着に触れさせる。
「ンッ!」
 え?何?何、今の!?
 その不思議な感じと、自分が思わず出したその声に、驚く。
 −−自分が、自分でなくなってしまいそう−−
 彼女の言葉を思い出す。
 でも、決して嫌な感じではないわ。いえ、むしろ……
 もう一度その感じを味わいたくて、再度手を差し伸べる。
「あっ……」
 そう、この感じ……
 腰の当たりから、何か全身に浸透していくよう……
 初めてのはずなのに、初めてじゃない気がする……
 もう一度確かめようと、ゆっくりとさする。指が上下する度、その何かは徐々
に膨れ、私の中に広がっていく。

 ……くちゅ……

 −−あっ、濡れてる−−
 その音と、そしてさっきから徐々に指先に感じる湿り気は、それを証明してい
た。
 私は自分の下着の中に”彼の手”を忍ばせる。
「ンンッ……」
 さっきまでとは比べようがないその感覚に驚きつつも、すぐ受けれてしまう。
 そして気が付いた。いつもタンポンを入れているところが、柔らかく、広がっ
ていることに。とてもとてもあつくなっていることに。
 ……そこを”彼の手”が触ると、とても気持ちいいことに……
「ん……はぁ……あはぁ……んうっ……」
 目的を忘れ、没頭してしまう。
 −−自分が、自分でなくなってしまいそう−−
 彼女の言葉を再び思い出す。
「ああっ……はぁっ……んっ……」
 理性を取り戻そうとしても、何かに支配されているかのように、両手が止まら
ない。
「アメリアさん……」
 今まで物陰にいたはずの彼女が声をかけてきた。
「はっ……はひ?」
「あ、いえ、そのまま続けて下さい……」
「え……」
「私を……貴方が思っている殿方だと思って……」
 そう言うと、彼女は私の上に被さってきた。
 その表情は、いつもの彼女とは思えないほど、妖しく、美しかった。
 

「ん……」
「んふぅ……」
 彼女が私にキスをする。女同士のキスなのに、何故か感じてしまう。
「……んん……」
 ゆっくりと彼女が舌を差し込んでくる。弄ばれる私の舌。とても美味しい彼女
の唾液。頬に触れる彼女の髪……
 ……どのくらい舌を絡め合っただろうか……
 彼女がゆっくりと唇を離す。
「……アメリアさん……」
「あっ……」
 彼女はそう言いながら自分の胸を私に押しつけてくる。お互いの、ピンと立っ
たピンク色の突起物がこすれ、快楽の泉はその深さを増していく。
「どんな気持ち?」
「……あぁっ……き……」
「ねぇ、教えてぇ……」
 そう言って今度は首筋を嘗める彼女。自分でも不思議なくらいに感じてしまう。
「……気持ち……いぃ……ですぅ……」
「……良かった……私もです……」
 舌をゆっくりと胸元に移動させながら話されると、その震動がより深い快楽を
生み出すよう……
「じゃぁ……ここは?」
 そう言う彼女の右手は胸に、左手は私のあそこをさすってくる。
「はぁうっ!」
 もはやこの世のものとは思えないほどの快感に打ちのめされる私。
「私、こうされるととっても感じてしまうんです……どうですか?」
「あぁんっ!……はぁ……っ!……っああぁぁっ……かはぁ……」
 ……私もとっても感じます……
 そう言おうとしても、別の声がかってに出ちゃう……
「アメリアさん、胸大きいんですね……」
 そう言いながら揉みしだく彼女の指の間から、熱く火照った私の胸が顔を出す。
胸の谷間を二人の唾液と二人の汗が混じり合ったモノが流れていく。
「……私の胸、どうですか?……」
 そう言うと、彼女は自分の胸を私の口元に持ってきた。
 大きく柔らかいその二つの膨らみからは、妖しい、それでいて香しい、女の香
りが漂ってくる。
 その匂いにつられるように、私は両手で揉みながら先端を口に含む。
「あはぁ……もっとぉ……もっと強くぅ……」
 とても柔らかい……
 それでいて、乳首はこんなにピンと立っていて……
「……あっ……そう……ぃ……ぅあ……」
 先程彼女がしたように、私も徐々に舌を滑らせていく。少しずつ、少しずつ……
「ひゃぁ……ぁ……こん……んぁ……」
 胸から腹、腹から腰、そして腰から……
 徐々に彼女の愛液の香りが私の鼻を刺激する。その香りは、私を駆り立てるか
のように、私の中に入ってくる。
「……ぁは……わ……たし……も……」
 そう言うと、彼女はぐるっと向きを変える。そして、彼女の舌が、私の太股を
嘗める。
「んふぅ……ん……」
「はぁ……んはぁっ……」
 二人とも、お互いをじらしつつ、徐々に相手の恥部に近づいていく。
 シックスナイン−−
 そんな言葉が脳裏によぎる。
 ああ、今、私は、彼女とそんなことを……
 そう思うと、より感じてしまう。

 ぴちゃ……

「っっぁああっ!!」
 突然体全体に電流が走ったかのような快感を感じる。彼女の舌が、私の蜜壷か
ら愛液を溢れさせていく。
「んっ……んっ……んふ……んん……」
「あっ……ああっ……いい……いぁんっ……」
 その猛烈な感覚に、もうろうとした意識の中、快楽に溺れていく私。
「んはぁ……ほら、こんなにいやらしい音がしてるわ……」
 じゅるるるるっ
「あはぁっ!」
「ん……おいしいわぁ……」
「はぁ……もっと……もっと吸ってぇ……」
「じゃ、私にも……して……」
「……は……はい……」
 ちゅるっ……ぴちゃ……じゅりゅっ……
「ンァッ!……はぁ……もっとぉ……」
「ん……んふぅ……」
「はぁ……アメリア……ふぅ……」

 ……長い、歓喜の時が流れる。何も考えず、ただ欲望の赴くまま体を動かす。
一人の女として、いや、一匹の雌として、ただただ、それを貪る。

「こんなに広がって……欲しいんでしょ……太くて長いモノが……」
「はぁ……ぁぁ……ぁはぁ……」
「私も……もうダメなの……」
 そう言うと彼女は起きあがり、枕元にあった化粧瓶を手に取る。
「さぁ……殿方のアソコよ……嘗めて……ご奉仕してあげて……」
 ……”彼のアソコ”……
 そう思いながら瓶を嘗める。
「んふぅぅっ!!」
 新たな快感を覚えた私は、一心不乱に嘗め続ける。”彼のモノ”は私の唾液で
妖しく光る。そして、そんな光景と、彼の喜ぶ姿を思うと、私の腰の辺りのシー
ツはしっとりと濡れていった。
「……私も……」
 そう言うと、彼女もまた嘗め始める。”彼のモノ”と彼女の舌を交互に嘗めな
がら、空いた手で自分のアソコをさすり、”準備”を整える。
「……もう、ダメ……」
「……私も……我慢できない……」
 どちらからと言うわけでもなく口を離す。まず、彼女が”彼のモノ”を自分の
アソコにあてがい、そっと入れる。
「ンンッ!」
 そして、ゆっくりとこちらに近づいてくる。
「……行きますよ……」
「……ぁぁ……来てぇ……」
 興奮のあまり、つい本音を口にしてしまう。
 ……何て恥ずかしいことを……
 そう思うと、余計に感じて、ガマンできない……
 そして、”彼のモノ”は私の中に入ってきた。

 ずぷっ。

「アアッ!」
「ンアッ!」

 じゅぷっ……じゅぷっ……じゅぷっ……

 お互いにキスをしながら、本能の赴くままに腰を動かす。
「ふぅ……ぁは……ぃ……」
「もっ……ひぁ……ぁあんっ……」

 じゅぷっ、じゅぷっ、じゅっ、じゅっ、じゅっ……

 徐々に動きを速くしていくと、何かが迫ってくる。
 その、確実に近づいてくるものを我慢しようとすればするほど、それはわき上
がってきて、私の動きを激しくする。
「あっ……っ……」
「も、もう……ダメ……まだ……もう少し……」

 ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ……

「ひゃぁ……ぁぁ……もう……」
「ああっ……イッちゃ……ぅううっ……」
 彼女の言葉に、やっと理解する。
 イッてしまうのね、私……
 そう思った瞬間、それは弾けた。
「……くあああああぁぁぁっっ!!」
「……だめぇぇぇぇっっっっっ!!」
 
 

「……ごめんなさい、こんなことするつもりじゃ……」
「いえ、いいんです。」
 しばらく気を失っていた私は、彼女に起こされた。お互い、ベッドの上に座り
ながら言葉を交わす。
「……でも、ありがとうございました。なんだか安心しました。」
「えっ?」
「……私だけじゃ無いって……分かったから……」
 その言葉に、つい顔を赤らめてしまう。
「いえ、その……」
「…………………」
 でも、確かに私も彼女も同じ様な反応を示していたと思う。女としての、いえ、
雌としての反応……
 やだっ、何考えてるのかしらっ。
 恥ずかしくなって、別の話題を必死に考えてしまう。
「あ、そ、そういえば、このお香、どうしたんですか?」
「あっ、それですか?だいぶ前に町で買ったんです。なんだか、とっても気持ち
 いい香りだったので。
 ……そういえば……」
「どうかしました?」
「そのお香を買ってからだわ……こういう行為にふけるようになったの……」
 や、やだ、また話題が元に……
 ……って、ちょっとまって……
 ある考えを思いついた私は、お香の裏の文字を見る。
 そこには、”−caisidorhpa− すてきな夜を”とだけ書かれていた。
「あの、これ、少し分けていただけませんか?」
「あ、丁度、まだ封を開けてないものがありますから、それを差し上げますわ。
 ……でも、どうして?」
「ちょっと気になることがあって……」
「……はい。どうぞ。」
「ありがとうございます。」

 ……その夜、彼女が自分の部屋に帰った後、一人お香をたいてベッドに入った私は、
案の定、恥ずかしながら、オナニーにふけってしまった……
 
 
 
                               (恋せよ乙女:完)

-------------------------------------------------------------------------------
 
 

あ と が き
 

作:ども、皆さんこんにちわ。
  アメリアのオナニーが大好きな(爆笑)、悪平 修です。
  この度は、このような物を読んでいただき、誠に有り難うございます。
  異論反論ある方もいらっしゃるとは思いますが、
  たわけ者の愚かな行為、とお許し願えれば幸いです。

L:……ねぇ。

作:あにか?

L:……どう考えても、これ、未完成でしょ。

作:大当たり。
  何だけど、まぁ時間もないことなので、後は皆さんの心で補完してね、
  っつーことで一旦切ります。
  ちなみに、この後「お香」が重要な役割を果たします。
  ま、ご想像通り媚薬です。
  誰をこの媚薬の毒牙にかけたいか、是非ご感想、リクエストお待ちしていま
  す。

L:ネタを募集するなぁぁぁぁっっっ!!!

 ぼくっ

作:お゜こ゜っ!

L:……とにかく、今年もよろしくお願いいたします。
          (ぺこりっ、とお辞儀をするL。ぱたりっ、と倒れ込む作者。幕。) 
 

「悪平 修の煩悩わぁるど」に戻る