スレイヤーズあだるてぃい

               「イキュバな真実」

                              作:悪平 修
 
 

 ずりゅっ、ちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ……

 その夜も、私の部屋には淫らな音が響いていた。
 数日前、シルフィールさんの相談に応じたあの日、妖しいと思って貰ったお香。
初めてそのお香をたいたあの夜以来、私はこの香りと、そしてこの行為の虜になっ
てしまった。
「あっ、はぁっ、いいっ……」
 そして、日を追うごとにその行為はエスカレートしていった。初めは”彼”の
ことを想ってオナニーをしていたのに、今では色々な人との関係を想ってしまう。
 今日の相手はリナさん。「きっかけ」は、リナさんが部屋に来たときに、
「アメリア、何か最近やけに色っぽくなったみたいだけど、何かあったのぉ?」
と言われて、思わず紅茶を吹き出してしまい、「洗っておけ」と言われ渡された
彼女の服。
 かわりに彼女が私の服を身につけていったという事実と、彼女の全てを覆って
いた服、そして下着を目の前にして、つい我慢できずに身につけてしまったの。
 そこからは、香しい彼女の香りが漂い、それだけで彼女の下着には私の液が染み
ついていったわ。
 そして私は、町でこっそり借りてきた赤毛のカツラをかぶり、リナさんのオナ
ニーを「見る」事にしたの。
「うはぁ……ンンッ……きゃふぅ……」
 オナニーをしながら、部屋にある大きな鏡に自らの姿を映し出す。そこには自
らを慰め、喘ぐリナ=インバースの姿。白い手袋は、黄色い布の上から自らの胸
とアソコを愛撫し、その刺激に胸は乳首を立て、腰は淫靡な動きをし、アソコは
布を湿らせて答えている。
 そして、だらしなく開いた口から唾液を垂らすその表情は、とてもいやらしい。
 ……でも、とても色っぽい……
「ぁあん……だめ……」
 表情とは裏腹な言葉を言いながら、乳首を可愛がる彼女。そのピンと立った突
起物は、服の上からでもはっきりと分かる。
「……んん……ふぅ……ふぐっ……んんっ……」
 股間の布からしみ出る愛液を自分の指にたっぷり付け、おもむろに嘗める。
 舌と指の間に愛液の架け橋をかけつつ、指を口の中に入れ、美味しそうに味わう。
「……んふぅ……あっ……ぁ……はぁ……」
 遂に、服ははだけ、露になった泉に手を差し伸べ、中指をゆっくりと差し込ん
でいく。
「あ……あ……ぃ……ぃ……」
 その快楽に体は敏感に反応する。乳首はより大きくなり、腰はより大きい快楽
を得ようと自ら動き出す。
「あっ……はぁ……はっ……あっ……ぁあっ……ぁはぁ……」
 徐々に、しかし確実に、指の速度を上げていく。
「はっ……あっ……気持ちぃ……ぁ……」
 そして、親指で固くなった小豆に触れる。
「アウッ!」

 ばさっ

 思わずのけぞった勢いで、カツラが外れる。
「……あ……はぁ……」
 再び鏡を見ると、そこには同性の服を着て、淫らな行為にふけっている私の姿。
 ああ、何ていやらしい……
 でも、この快感、止められないの……
「ふ……はぁ……ぁあん……いい……ぁ……や……アッ……」
 右手の親指で小豆を刺激しながら、他の指で蜜壷をかき混ぜる。左手はふくよ
かな胸の膨らみをもみしだき、人差し指で乳首を刺激する。
 蜜壷から出る愛液で服はぬらぬらと光り、それでも溢れる愛液は水たまりを作っ
ていく。
「……んふぁ……ぁは……」
 右手の愛撫を続けつつ、左手でズボンを脱ぎ、下着を手に取り、くわえる。
 そこからは、リナさんの香りと、私の香りが、淫靡なハーモニーを奏で、私の
芯をアツくする。
「……ふぅ……んふっ……ふぁ……ん……んぁっ……」
 ああ……もうイッちゃいそう……
 こんなに早くなんて……
「あっ……や……だめ……ぃ……」
 でも、我慢すればするほど風船が膨らむように……
「イク……ィ……ッちゃ……ぁぁぁぁああああっっっっ!!!」
 そして、その風船は弾けた。

「……ふぅ……」
 ……また、しちゃったぁ……
 最近、何か変なのよね。シルフィールさんの気持ち、解るような気がするわ。
 自分が自分でなくなっていくような感じ。
 ……でも、これが本来の……私……?
 そ、そんなことよりも、早くこの服を洗って、そのあとで、あのお香を調べな
くちゃ☆
 
 

 その夜、私は一人考えていた。
 どう考えても妖しいのはこのお香。でも、ゼルガディスさんに頼んで物質的に
調べて貰ったら、何てことはないお香だ、と言われてしまったわ。
 でも、私はどうしても、このお香から何か「悪」の感じがしてくるの。

 ……そういえば、以前、赤と青のボールなんて言うふざけた魔族もいたっけ……
 ま、まさか……これも!?

 とりあえず、それを確かめるべく、私は呪文を唱えた。
「……光と地と風の力よ……魔の呪文を今こそ破らん……
 崩魔陣!」

 ゆらりっ

 お香の入れ物が、かすかに揺れる。
 やっぱりっ!
「あなた、何者です!姿を見せなさい!!」
「……ふっふっふ……」
 お香の入れ物からゆっくりとそれは姿を見せた。霧状だったものは、集まり、
収束し、壱個体へと変わっていく。
 そして、一人の女性が、いや、人間の女の姿をしたモノが現れた。
「私の名はイキュバ。お嬢ちゃん、よく私の正体を見破ったわね。誉めてあげる
 わ。」
「さ、さては魔族ねっ!」
「その通り。これでもれっきとした魔族よ。一応ね。」
「一応?」
 よく分からないけど、とにかく魔族なのよね。
 ……リナさんに相談しなかったの、失敗したかなぁ……
「そ。本来魔族は縦社会。必ず何かに仕えているものなのよ。
 でも、私は違うの。誰かに従うなんてまっぴら!誰にも服従することなく、こ
 こであなた達人間の女を見てきた、と言うわけ。」
「じゃぁ、やっぱりあなたの仕業!?
 ……一体、何が目的です!?」
「人間の負の心が魔族の糧。でも、人間の、『羞恥心』とか、『快楽心』っての
 も、なかなかビターな味わいなのよね〜。
 私、すっかりその味を占めた、ってわけ。
 それに……あなた達もキモチイイ思いが出来て本望でしょう!?」
 イキュバは、にやりぃ、と不適な笑みを浮かべる。
「なっ……」
 その言動に、思わず隙が出来る。
「でも、正体がばれては仕方がないわね!」

 ぶあぁっ!

 イキュバは突然霧状に身体を変化させ、私につっこんでくる!
「し、しまっ……!!」
 避けられない!
 そう思った瞬間、イキュバが私の中に入り込んでくる。
「あ゛……あ゛ぁ゛……」
 イキュバの声がする。
『この場から逃げようにも、貴方、魔術が使えるようだし。私は攻撃は得意じゃ
 ないのよ。』
 徐々に、体の自由が奪われていく。意識をはっきり持っているのに!?
 まさか、体を乗っ取って!?
『そ、またまたよく解ったわね!
 貴方には少々眠って貰うわ。
 でも、安心して。貴方は気持ちよく眠るのよ。
 ……快楽の中で……』
 イキュバの声がそう言い終わったとき、霧状のイキュバも消えて無くなった。
(どんな気分、アメリアさん。)
 イキュバの声が、直接頭の中に響く。
 な、何で私の名を!?
(貴方の体は、既に私のものなのよ。記憶も、意識もね。)
 か、考えていることまで!?
(それだけじゃ無いわよ。)

 するっ

 鏡に映っている私が、おもむろに服を脱ぎ始める。
 や、やだ、手が勝手に……
(どう?体を動かせる!?出来ないでしょう?)
 くっ……
 すっかり裸になった「私」は、妖しげな笑みを浮かべつつ、官能的なポーズを
取っている。
 一体、何をするつもり!?
(貴方はもう、私のもの。……こんな事だって出来るのよ……)
 そう言うと、「私」は右手を股間にあてがい……

 ずるるっっっ

 ひええええええぇぇぇぇぇぇっっっっっ!!!!!
 わ、わ、私の股間に、女の子にはあってはならないモノがぁぁぁっっっっ!?
(どう?気に入って貰えたかしら?アメリアさん。)
 気に入る訳ないでしょっ!
 叫ぼうにも、声も出せない。
(あぁら、だめねぇ、食わず嫌いは「正義の味方」の名が廃るわよ。)
 何を戯言をっ!
(まぁ、味わってみて……)
 イキュバの声が響くのと同時に、「私」は戸棚を開け、中にあったオイルを
「私」に生えたモノに塗り始めた。

 びくびくびくびくっっっっっっ!!!!

 それと同時に、私の意識は、今まで経験もしたことがない快感に溺れていく。
(どう?初めて味わう男の人の感覚は?)
 そう言いながら「私」はゆっくりとモノをしごき始めた。

 じゅっ、じゅっ、じゅっ、じゅっ……

 いやらしい音と共に、初めて味わう快感は、私の魂まで熱くさせるよう……
 だ、だめ、こんなの初めて……
(自分で味わってみる?)
 刹那、体が自由になる。
「んッ……あ……あッ……」
 ……と、止められない……

 ぬりゅっ……ぬちゃ……ぬちゅ……ぬるっ……

 いやらしい音を立てながら、私は自らの意志でモノをしごく。
 当然慣れていないため、先程のように素早くは動かせない。
 でも、それがかえってじらすような感じになって、どんどん病みつきになって
いく……
(あらぁ?どうしたの?気に入らないんじゃなかったの?)
 そ、そうよ、止めなくちゃ……
(良いのよ、止めても。……でも、今なら、誰に知られることなく、男根の味を
 味わえるのよ……)
 えっ!?
 その言葉に、ふと自分の股間を見る。
「あっ……」
 そこには、大きくて、太いモノが、私の手にしごかれて、ビクビク言っている。
(あらぁ、もうこんなにして。貴方も好きねぇ……
 それとも、手でしごくのが上手いのかしら?将来の彼氏が羨ましいわぁ……)
 そ、そんなこと……
 でも、股間のモノは、どんどん大きくなっていく。そして、どんどん気持ちよ
くなって……
 そこからは、何とも言えない香りが漂い、とっても美味しそう……
(……誰も見てないのよ……)
 ………………………………………。
 私はベッドに座り、ゆっくりと顔を股間に近づける。
 胸が押しつぶされていき、徐々に口と亀頭との距離が縮まっていく。
 そして、アイスキャンディーを嘗めるように、舌をのばして、その頭に出てき
た液体を嘗める。

 びくぅっ!

「んふぅぅっ……」
 舌から伝わる女としての快感と、モノから伝わる男としての快感。
(どう?……美味しいでしょ……)
 ……オイシイ……
 私は、両手を太股にかけ、より深く前にかがむようにする。そして、そのモノ
をくわえ込む。
(まぁ……自分のモノをフェラするなんて……何ていやらしいのかしら……)
 ……それは、もしかしたら私自身の声だったのかもしれない。
 でも、そんな理性を押さえ込むように、快楽を求めようとする私の体はより熱
く火照っていく。
 そして、私の男根も、その刺激によってより太く大きくなっていく。
(あぁ……いいわぁ……貴方の快楽が伝わってくるようよぉ……
 貴方、とっても上手なのね、フェラチオ……)
 イキュバのそんな辱めの言葉を聞きながら、私は動きを激しくしていく。
 ああ、もっと、もっと言って!
 そう叫ばずにはいられない……
(でも、まだまだ知識不足ねぇ……いいわ、教えて上げる☆)
 そう言うと、再び私の体の自由を奪うイキュバ。でも、口だけは自由に動くみ
たい。だって、まだこんなに美味しく嘗め上げられるもの……
(お口でするときは、こうして手でもしごいてあげるの……)
 あまりの大きさに口からこぼれたモノを、私の右手がつかみ、しごく。
「ンンッ……んふぅ……ふぅぅん……」
 私の口からはだらしなく唾液が垂れ、私のアソコからは大量の愛液があふれ出す。
 そして、私の右手が上下する度、唾液と愛液が混じり合い、また同時に股間の
モノから何とも言えない香りと「味わい」を引き出していく。
(どう?……とっても気持ちいいでしょう?……)
 その言葉通り、今までの数倍気持ちいい……
(そうねぇ、余った左手は……)
 ゆっくりと左手が動く。
(胸でも揉んでみたらどうかしら?ふたなりの貴方ならではのパターンよ。)
 ふたなり……
 そのいやらしい言葉と、胸を揉まれる快楽に、より激しい興奮を覚えていく。
(さ、自由にしてあげるわ。楽しんでね……)
 そう言うと、再び体に自由が戻る。
 でも、決して動きを止めようとはしない。こんな気持ちいいこと、初めて……
 ……止められない……
 それどころか、より激しくしごき、より強く吸い、より妖しげに揉みしだく。
 髪を振り乱しながら首を縦に動かし、強く吸い、ついばむ。
 きっと、今私はとてもいやらしい表情をしているだろう。でも、そんなことを
考えると、より快感が大きく私を包み込んでいく。

 ……どうしてこんなに気持ちいいの……

(良い娘ね……じゃぁ、そろそろイカせてあげるわ!)

 びくびくびくっっっ!!!
「ンンンッッッ!!!……あ……あうっ!」
 イキュバのその言葉と共に、止めどない快楽が私を包んでいく。思わず口を離
し、のけぞる。
「きゃふっ!……ぁぅうううっ!!」
 ど、どうして!?
 何もしていないのに、股間のモノから熱い波動がどんどん増えていく!
 だ、だめ……このままじゃ、私……
(どう?これなら貴方も満足するでしょ!?)
「あ゛ぅ゛っ……ぁあ゛っ!……いや……ぁが……」
 気持ちよすぎるぅ!
 こ、こんな、こんなのって……
 ダメ、おかしくなっちゃう……
 お願い、も、もう……
 も……
 もっと……もっと……
(さぁ、イッておしまい!!!)
 そうイキュバが叫ぶと同時に、耐えられない快楽に包まれていく。
「あっ……あぅ……ぃ……イク……イッちゃうぅ!
 ……くふぅぅぅっっっっ!!!」

 びゅくっ!びゅりゅりゅっ!!

 我慢の限界を超えたとき、私は光に包まれ、そして私の顔、胸、ありとあらゆ
る所に、私の股間から発せられたスペルマがまき散らされた。

(じゃぁね、アメリアさん……)

 心地良い開放感の中、私は無意識に精液を手で拭い、美味しそうに嘗めていた……
 

                                                         (イキュバな真実:完)
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 あ と が き
 

作:ども、皆さんこんにちわ。
  アメリアのオナニーが相変わらず大好きな、悪平 修です。
  この度は、このような物を読んでいただき、誠に有り難うございます。
  異論反論ある方もいらっしゃるとは思いますが、
  たわけ者の愚かな行為、とお許し願えれば幸いです。

L:何か、少し変わってない?

作:はい、あい・ぼうるさんに進呈するに当たって、
  少々の追加をしてあります。
  まぁ、基本的に「マンガのネタ」的な存在ですので、
  CG がないと弱いんですけどね。
  おいら自身、頭の中では絵コンテ書いてアニメーションしてますから。

L:そういえば、あんたエヴァのOPもそう言うことしてたんでしょ?

作:そうそう、MIDI と CG でOPの再現してたんだけど、
  「残酷な天使のテーゼ」って当然2番もあるわけで、
  そこの部分にオリジナルでアニメーション付けようと思ったんだけど、
  誰も CG 描いてくれなかったので諦めたんだよ。

L:……描けよ……自分で……

作:う〜ん、実際 CG は描けるようになりたいと思ってるんだけどね。
  こういう小説の挿し絵も自分で思う存分描けるし。

L:……不純な動機ねぇ……

作:じつは、今大学のサークルでゲーム作ってて、そのシナリオも書いてるんだけど、
  それも絵は他人に任せてある。
  ま、スキャナかタブレット無いと挑戦する気も失せて来ちゃうんだよ。
  うちのマウス、とことんひねくれてるから。

L:……まぁいいわ……
  そう言えば、その大学のゲーム、声当てもするんでしょ?

作:そ。ちゃんとアフレコもします。
  まぁ、プロの人雇う訳じゃないけどね。
  個人的には林原さんなんか雇ってみたいんだけど、そんな金はない。

L:お金あってもOKしてくれないと思うわよ。事務所が。

作:……しくしくしくしくしくしくしくしくしくしくしくしく……

L:で、私の出番は?

作:は?

L:だから、そのゲームで私の出番はどこ?

作:…………………………。

L:…………………………。

作:CG 描いてくれる人に頼んでね。

L:OK!
  絵があれば出すのね。
  じゃっ!!!

作:あ、ちょ、ちょっと!
  ……では皆さん、次回作をこうご期待!

  ……まてぇ〜〜〜……

                                                                 (終)
 

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