ワイド馬券の真実
特別読み切りエッセー
| ワイド馬券が登場すると初めて新聞報道やマスコミを通じてJRAから発表があった時、僕はこう思った。『ワイド馬券なんて当たる確率は高くなるけど、所詮配当が低くて妙味はないじゃん。やっぱり競馬は普通の馬連(連勝複式)でずばり当てるのが一番醍醐味がある』。そんな思いを抱きつつ、ここにきて漸く福島開催からワイド馬券が試行発売されるようになった。あいにく試行期間の為、発売は福島競馬場と新白河場外でしか扱っていない。本格的な全国発売は今年の中山開催からかな?まあ配当が低いからいずれにしても僕向きの馬券ではないなあ。 10月30日、僕は意気揚々と水道橋の場外(WINS後楽園)へ出かけた。場内ではしきりとアナウンスで『本日の福島のメインレースはワイド馬券発売記念レース』とのたまっていたのを耳にするが、ここ後楽園ではまだ買えないみたいなのであまり気にはしなかった。早速馬券検討に入り、お宝予想でピックアップした福島11Rの渡利特別をお宝馬のドルシネアから8点流して買う。レースはドルシネアが直線良く伸びたものの惜しくも3着で高配当を逃してしまった。あと一間歩つき抜けていれば中々の高配当をゲットできていたのだが、その配当が発表されてなんとなく怪訝な感じを抱いた事は言うまでもない。1着−3着ワイドが3460円で2着−3着ワイドが2510円。お宝予想をワイドで買っていればどちらもゲットなのである。合わせると合計5970円を的中した事になる。ふ〜〜ん、ワイド馬券も一つ一つの馬券の配当は低いけど、うまくいけば2つもゲットできて結構な配当になる事だってあるのね。 この時は、まだこんな事もあるさと思っていたが、そんな怪訝な思いが2週間後再び訪れた。お宝予想では取り上げなかったが、11月13日、いつものようにWINS後楽園(何故か最近ここへ来る事が多い)で馬券を検討している時に、その日の福島10R浄土平特別(芝1000m)の13番ファーストシャタン(9番人気)が気になって8点流しを仕掛けた。レースは直線に入って好位から人気の2番ヤマタケポロンが抜けだしほぼ1着は確定、そしてゴール直前では馬群をぬって9番バクシンフラワーが他馬を制す勢い。とその時、荒れ馬場の大外を次元の違う末脚で追いこんでくる馬が一頭。ピンク帽子の13番ファーストシャタンだ。僕は思わず『差せ!差せ!』と叫んだが無情にもバクシンフラワーの脚も勢い衰えずクビ差まで追いこんだ所でゴール板をつき抜けてしまった。運良くファーストシャタンがバクシンフラワーを差していたら2−13で80倍くらい。ヤマタケポロンの大駆けが無ければ9−13で200倍以上はついていたなあ。まあ少なくとも狙いは間違っていなかった訳だし、一応自分にはそう納得させていた。数分後に配当が確定し発表された払い戻し金額を見て唖然とした。2−13のワイドが2050円、9−13のワイドが5260円で、もし馬連でなくワイド馬券で買っていたら両方とも的中なのである。そして合計で7310円が的中した事になる。ワイド馬券の配当が低いというのはもしかすると自分の思いこみではないだろうか。そうしてこんな算式を立ててみた。 ワイドは3点買ったのと同じだからゲットする確率は馬連に比べて約3倍になり、配当は平均1/3となる。しかしこれからが僕の分析の凄いところである。1組だけ的中するのであれば 馬連に対するワイドの期待値=確率3倍×配当1/3=1倍 で馬連とワイドの期待値は同じなのである。しかし、お宝予想のように穴軸流しなら先の2例のように2点的中する可能性だって高いし、もしこの確率を50%にしたとしても 馬連に対するワイドの期待値=50%×3倍×2点×1/3+50%×3倍×1/3 =50%×3=150%(1.5倍) おお、馬連よりも期待値が1.5倍もあるではないか。これはもうワイド馬券しかない。僕の中にくすぶっていた怪訝な思いが漸く晴々とした。早速12月の中山開催からはお宝ワイド大作戦でお宝ザックザクだぁ。もう今から懲りない妄想がムクムクと沸きつづける秋の夜長かな。 |