「成人式の後に」


	駅前に一人  人形が立っている

	ほとんど動かないその姿は  人形を見ているようだ
	さわ
	爽やかな香りが  彼女を包み込んでいる

	胸の前に両手と小さな入れ物をを添えて

	どこか遠くを見回している

	そう  今日は成人式

	大きくて小さな 流れの節目

	そんな日に着飾った若者達が  通り過ぎてゆく

	人形のような彼女の前を


	あれから何分も  彼女は動かずにそこにいた

	ただ遠くを見つめて  そこに立っていた

	式で約束でもしたのだろうか  友達と会う  と

	誰を待っているのだろう  まだ待ち人は来ない

	しかしまもなくして  人形は魂を得た

	誰かを見つけたように  手で合図をし歩きだした

	そこには  周りと同じように着飾った  彼女の友人がいた

	しばらく二人はそこにたたずんで  話をはずませた

	まもなく  二人はその場を去っていった

	あとには あの爽やかな香りが残っていた

	そして  成人の日は暮れてゆく...


				95. 15. Jan.

駅で待ちぼうけをくらっているところで、遭遇した光景です。
ちょっと付け加えて詩にしてみました。

で、気になる(ならないか?)彼女の友達はというと、勿論野郎です。 詩の中ではあえて書きませんでしたが・・・。

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