車窓から

自然の多くある景色が流れる
そんな旅先の車窓が好き
シートから窓枠に手をかけて
流れる景色をただながめている
天気よければ窓を上げて風を受ける
空虚で 満たされた時間

時には大きな感動のある車窓
だから旅先の車窓が好き
泣きたくなるほどの車窓
私に衝撃を与えて去ってゆく風景
隣席する人との語らい
何か 大切なものを得る時間

ふと何気なく過去と対面する
それは旅先の車窓がいい
流れる風景と過去を語る
それは旅先がいい
忘れたい過去を
流れ去る風景にそっと託し
流れくる風景に
心のくもりを拭い去ってもらう
車窓で 何か処分している自分
車窓に 何かを求めている自分

ふと 今を抜け出して旅に出たくなる

1997/09/15

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