上に示した4枚の図は全て将来型宇宙輸送機を目指して1980年代末から現在までに世界各国で構想され、研究、地上実験および飛行実験が行われた機体形状の概観を絵描きが画いた構想図でArtist's
Conceptと呼ばれている。
図1-1は1994年までに主として米国の各社、英国、旧ソ連、独逸、および日本から提案された各種の構想図である。
図1-3 米国AF/NASAのスクラム
ジェットエンジン実験機
図1-2 ベンチャースターの実験機
図1-1 世界の将来型宇宙輸送機
の構想図
山中 龍夫
359-1111
所沢市緑町3-36-10
E-mail:
蒼形:技能から科学へ
(飛行機体の設計プログラム)
図1-2は米国のマーチン・マリエッタ社が1990年代中ごろに提案したロケットエンジン推進単段宇宙輸送機であり、X-33として米国連邦政府予算によるUSAFおよびNASAの共同実験機として各種の地上実験が行われたが、複合材極低温推進剤タンクの亀裂が原因でこの研究開発は1990年代末に中止された。
図1-3は2000-2004年に数回飛行実験が行われ、スクラムジェットエンジンの高速飛行性能(マッハ6−マッハ10)が得られたと報告されている実験機
(X-43A)である。
図1-4は1990年代後半著者が提案するARCCエンジンに関する旧航空宇宙技術研究所との共同研究中に当所で描かれた構想図である。
これらの構想図が与えられた設計目標を達成できるかどうかの設計研究の第1段階は多分野の専門家による検討のための@形状の表面積、翼面積、平面面積、体積を計算する、A全体重量および質量分布を計算する、B空力計算をする、C飛行計算をする、等のステップを行うことによって構想図の形状を目標達成に向けて繰り返し書き直すことになる。この繰り返し作業に関しては、現在の計算機は@からCまでの計算を素早く容易に行うことができるが、構想図は三次元形状図の作図であり、構想図の書き直しは三次元形状図の書き直しを意味し、この作業は例えCADを利用しても絵描きの手作業である。それは画き手の感性による技能の世界である上に、絵画きの作業担当者が最新で専門的な知識を持つ場合は殆ど無いから、各専門家との意見交換のための期間が長くなる。
本ホームページはこの技術の現状を根本的に変える著者が提案する
の概要を紹介する。